企画展・講座
2024/03/30
第95回まなべこ歴史文化講座
民俗講座
「学んで聴く会津の民謡」
3月24日(日)、第95回まなべこ歴史文化講座を開催いたしました。
今回は民俗講座「学んで聴く会津の民謡」と題し、民謡歴50年以上の森川貞治さんと、会津民謡「いろは会」の皆さんに民謡について教えて頂きながら、生の演奏を聞かせて頂ける、とても豪華な講座となりました。
皆さんお馴染みの会津磐梯山をはじめ、7曲もの民謡を演奏していただきましたよ。
森川さんは歌や三味線も演奏して下さいましたが尺八を主に演奏されています。
民謡の世界は厳しさもあることなどもお話しくださいましたが、体を壊し気分がふさぎ込んでしまった際、民謡の力で回復出来た経験など、民謡は楽しいというお話も聞かせて頂きました。
幕末の会津に生きた女性、山本八重を主人公にした大河ドラマ「八重の桜」に会津の民謡が登場するシーンがあり、森川さんが三つの場面に出演され、その中でも戊辰戦争の際鶴ヶ城を明け渡し、猪苗代に藩士たちが入封されるシーンで、森川さんの「玄如節」が明るく見送るように流れます。
実際にご本人の歌いながらの解説で、どのようなシーンだったのか、想像だけでも心に迫るものがありましたね。
その撮影には朝の八時から夜中の三時までかかり、主人公の綾瀬はるかさんが疲れて柱に寄りかかっていたそうで、その柱になりたい、と思ってしまったなんてお茶目なお話もしてくださいました。
上のお話にも出てきた「玄如節」、皆さんはどんな歌だか知っていますか?
会津まつりでもおなじみの「会津磐梯山」は、「玄如節」の歌詞を参考に作られているそうで、実際に聞かせて頂くと、
「北は磐梯 南は湖水 中に浮き立つ翁島」
の歌詞はそのまま使われていますし、他にも歌詞が共通しているように感じました。
共通点はあるけれど違ったメロディーや節回しで聞くと、慣れ親しんでいる分不思議な感じがしますね。
その他にも全国でも結婚式などで歌われる「さんさ時雨」の会津版「会津目出度」や、日本三大民謡の一つと言われる「新相馬節」、山形花笠音頭など、全国の祝い唄民謡の原点になっている、「伊勢音頭」などを聞かせて頂きました。
「伊勢音頭」が全国でメロディーだけ使われるようになった理由は、人づてに伝わっていく内に歌詞は覚えていられないためというのは民謡らしいもので、面白いですね。
民謡は元々口伝で伝わっていくものなので、文字に起こすと元々の形が変わってしまうんじゃないかと言うお話をされ、実際に正式な歌詞として書き起こされた民謡の中にも、意味が変わってしまった様な部分を調べなおしていらっしゃるそうです。
東日本大震災の際に民謡の力で人々を元気づけたし、逆に全国の民謡仲間から元気づけられたお話を例に、民謡の成り立ちについて、歌い手の視点から貴重なお話を聞かせて頂きました。
今回の講座に参加して下さった方も、「いろは会」の皆さんの美しい歌声や、力強い歌声、幅広い表現力に、歌の中に引き込まれ、民謡は楽しいな、と感じてくださったのではないでしょうか。
私もうきうきした気分になりました。
素敵な機会を下さった森川さんと会津民謡「いろは会」の皆さんに改めて感謝いたします。
皆さんの発表会が10月に予定されているそうです。
講座にいらした方もそうでない方も、民謡のパワー、気になりますよね。今からとても楽しみです。
今年度のまなべこ歴史文化講座はこれにて終了となります。
沢山ご参加いただきありがとうございました。
来年度の講座ですが、早くも5月に開催予定となっていますよ。
大塚山古墳に関係した講座となっています!市政だよりやまなべこのX(旧Twitter)にも詳しいお知らせが掲載されますので、要チェックですね。
これからも会津若松市歴史資料センターまなべこをよろしくお願いいたします。