企画展・講座
2023/10/31
10月21日(土)、第91回まなべこ歴史文化講座を開催いたしました。
今回の講座は展示スペースの都合で時間をずらしての2回開催となりましたが、各回好評を頂きありがとうございました。
また、今回の講座はまなべこで開催中のあいづまちなかアートプロジェクトの1つ、「会津 漆の魅力」展に展示されている、会津で発掘された漆が使われている土器や、江戸時代の漆器などの展示物を実際に見ながら、会津と漆の歴史について、会津若松市文化課の角田祥子さんに解説して頂きました。
会津に漆文化をもたらした人物として有名なのは蒲生氏郷ですが、それより以前にも漆を使用した痕跡が残っています。
会津で一番古い漆製品は、三島町の「荒屋敷遺跡」から出土した木製品だそうで、時代はなんと縄文時代晩期、今から約2400年も前になります。
一箕町にある会津大塚山古墳からも「靭(ゆき)」と呼ばれる矢を入れる道具が出土するなど、古くから漆が使われていたことを教えて頂きました。
写真は会津若松市門田町墓料遺跡で発掘された漆で修復されている土器
写真は武家屋敷跡で発掘された漆製品を解説頂いている場面
会津若松市では、江戸時代の武家屋敷跡の発掘調査が多く行われており、様々な屋敷跡から漆製品が出土しています。
角田さんが今回武家屋敷跡から出土した、漆の「濾殻(こしがら)」(漆液を濾して、中に入っている不純物を取り除く作業で使用する和紙(濾紙)が使用後乾燥したもの)を紹介してくださいました。
武家屋敷跡で出土しているので、当時武家屋敷で漆を扱っていたかもしれない少し不思議な出土品です。
昔の武士は漆塗りをしていたのか?漆は接着剤としてポピュラーだったのか?私の勝手な想像ですが、妄想が膨らみますね。
写真は濾殻(こしがら)を解説頂いている場面
「会津 漆の魅力」展もあと僅かの期間となりました。
11月3日(金)まで開催しておりますので、この機会に会津と漆の歴史にふれてみませんか?
次回は「まちなかの登録文化財を巡る」です。皆様のご参加お待ちしております。