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第54回「まなべこ」歴史文化講座「会津藩の戦後処理-降伏から斗南移住まで-」を開催しました!

企画展・講座

2018/11/27


 11月25日(日)戊辰150年にちなみ「会津藩の戦後処理」について、福島県立博物館主任学芸員の阿部綾子氏を講師にお迎えして開催しました。松平容保の小姓であった浅羽忠之助が書き記した「維新雑誌」(全七巻)は開城後の若松の様子や斗南移住までの経過が詳細に書かれている史料で、その中には戦後の藩政を担った重要人物、原田種龍がのこした「続御家政実記」からの引用があります。

 原田は若年寄から家老となり、猪苗代で謹慎者を統括後、若松に残り残務処理に従事し、山川大蔵と共に斗南藩権大参事になりますが、容大に随行し若松大龍寺を出立、五ノ戸到着後免官となりました。同じ職に就いていながら一方は有名人、もう一方は無名のまま消息も不明です。

 今回は「維新雑誌」の中から戦死者の改葬について史料をもとに解説していただきました。藩が財政難であったため、原田が商人の星定右衛門から資金を調達し、改葬局を設置して遺族による菩提寺への埋葬に対し、諸費用を支給したことや、城内仮埋葬地見立てのため遺族(老幼婦女子)の入城が黙認されていたことなどが記されていました。

 史料の中に「委細屍取片付調書ニ詳也」とあり、こちらはまだ発見されていません。発見された方はぜひ阿部氏までご一報お願いします‼